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  • 2018.03.17 Saturday
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10年越しの願い

僕の友達(A)に「ハッピーバースデー 命かがやく瞬間」に出てくるあすかのような友達がいる。
Aはやはり物語の中のあすかのように母や義父から虐待紛いなことを受け、身も心もボロボロになっている時があった。
Aが家族の話をする時、必ずと言っても過言ではないほど口してたのは「大人になったら、親殺す」という言葉だった。
僕は物悲しく、「そんなことをしてもお前に何も残らないぞ」となだめることも多くあった。
4年前、Aはとうとう親から手を切られてしまった・・・勘当されたのだ。
絶望の淵にいた頃、Aの祖父母が拾ってくれ、Aは祖父母の家で生活することになった。
その後、Aは高校中退し、就職した。
就職後、Aは祖父母に貯金がてら預けていた金を全額使われ、今度は祖父母とも手を切らざるを得なかった。
「何て真っ暗な人生なんだろう・・・」、僕はそう思った。
もし、僕がそういう立場なら、絶対耐え切れないと思うし、自殺さえしてるかもしれない。

ただ、Aもずっと正気でいられたわけではない。
家出はあるし、不登校はあるし、小さいモノ大きいモノ関係なく盗人したことも1度や2度ではない。
僕の弟のモノも盗人された。
最初は疑いもしなかったが、弟のモノがなくなった期間に遊びに来ていたのはAだけだったので、とりあえず確認がてらAに確かめたが、「ちょっと分からないなぁ〜」という言葉しか返って来なかった。
間もなく、Aは高校を中退し、Aと会うことがなくなった。
時が経ち、去年の4月、1年振りにAと会うことになった。
今までの自分を忘れ、心を入れかえて一生懸命仕事に打ち込んでいるAに改めてさりげなく聞いてみた。
そうしたらAは自分から素直に全てを話してくれた・・・案の定、弟のモノを盗人したのはAだった。
だが、怒りや押し込めるものは何もなかった・・・Aが自分から正直に話してくれたのだから。
そして、つい昨日、「弁償するお金がやっとできたよ!」とAから連絡があり、今日の朝に「やっと買えたよ!」と連絡があった。
Aは「時には『どうにでもなれ』と思って悪いこと色々しちゃったけど、やっとひとつ自分の犯した罪に蹴りをつけることができたし、本当に自分を捨てずに頑張ってきて良かった!」と晴れた声を聞かせてくれた。

だが、Aが弟のモノを弁償してくれた以上に嬉しいことがあった。
祖父母とは手を切らざるを得なかったAだが、母と義父と和解できたということだ。
かつては虐待紛いのことをたくさんされてきたAだが、今ではAの良き理解者であり、母はAに携帯を買ってくれたり、義父は冬に一人暮らしではもったいないくらいのストーブを持ってきてくれたそうだ。
10年前、Aから家庭の状況を聞き、Aは殺してやりたいと言いながらも本当は心底待ち望んでいたであろう、そして、僕もまたずっと願ってきたAの家族団らんがようやく実現したのだ。
これ以上に嬉しいことはない。

もし、みなさんにこういう友達がいたらどうだろうか?
一般的に多いのは「盗人したヤツなんかもう友達じゃない」というのが多いような気がする。
だが、僕は違う。
僕の好きなマンガ「金田一少年の事件簿」の金田一一の言葉に「罪を憎み、人は憎まない!犯した罪は取り返しがつかないが、生きてさえいれば罪の償いはできる!!」というのがある。
僕の大好きな言葉だ。
いや、「金田一少年の事件簿」を読むずっと以前から僕の考えはこういう考えだった。
だから、盗人してしまったAの罪は憎いと思っても、A自体を憎いとは思わない。
「どんな状況にあろうが友達は友達」というのが僕の信念だ。

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